先生の手が触れる時
「……今日は、帰ります…また日を改めて…話しましょう?」
「…………あぁ、わかった」
先生は大きくため息をついて、私の頬に伸ばした手をおろした
日もだいぶ暮れているから、先生も諦めたのだろうか
私は先生に背を向けると、ドアに向かう
そして
「それじゃ、先生。さようなら」
そう振り向いて笑った
先生は一瞬、不思議そうな顔をしたけれど
困ったように笑ってくれる
「……またな」
その私の大好きな笑顔が見れただけで充分。
何も要らない。
ありがとう、先生。