先生の手が触れる時
私は、座りながら後ずさるようにリビングに向かう
父はそんな私を冷たい目で見下ろしながら近づいてくる
そしてリビングに着いた時、そのまま父は私を押し倒す
「……お前だけはっ……わかってくれよ……」
そのまま父にすがりつくように抱き締められる
そして父が体を離して私を見たとき
そっと口を開いた
「………お父さんが…見てるのは…誰?」
その言葉にお父さんが目を見開いた
「……わかってくれ?…ふざけないで…ふざけんなっ!」
そう叫んで、力任せにお父さんを突き飛ばして、お父さんが倒れたところを今度は私が上に乗る
驚いた顔のまま固まる父を見下ろし
そっとYシャツを掴んだ
「……今まで、私がどんな気持ちだったか分かる?どんなに死にたくなったか……わかるの?!…それでも…私には…」
そう泣き崩れる私を見つめる父の瞳がゆれた
「……私には…お父さんしかいなかったから……」
だから、耐えてきた。
私を抱いている自覚がなくたって
父が私を通り越した先に母を見てると分かっていたって
それでも、私にはもうお父さんしかいなかった
「だからもう…終わりにしよう……お父さん………」
そういって、私はそっと父の首に手をかけた