先生の手が触れる時
愛
雪夜side
凪が出ていったあと、俺は職員室に向かっていた
何かが、ひっかかる
何故、今日彼女はここに来た?
わざわざ土曜日に…
どうして?
そんなことをぐるぐると考えてると職員室にたどり着き
「あの、緑川です…どうしたんですか?」
そう顔をのぞかせると、すぐに知り合いの先生が声をかけてきた
「緑川先生!……なんか、小学生ぐらいの子が…図工の先生を呼んでくれって」
「図工?」
「えぇ。夕日の絵を描く先生だって言うんで、もしかしたらと思って」
そこまで聞いて、ハッとした
夕日?
確か夕日の絵は、凪にわたしたはずだ
俺は駆け足でその子のもとへと行く
そこにはリュックを背負ったままうつむく男の子がいた
男の子は俺を見ると不安そうに首をかしげた
「……先生が、図工の先生?」