先生の手が触れる時



すべてが終わったあと、私は優人と千冬さんに会いにいった。

「……優人…千冬さん…」

千冬さんは私を見ると、少し複雑そうな顔をして頭を下げた

「本当に、ごめんなさい…私があのとき、ちゃんとしてれば…」

私は首を横にふる

「……そんなことないです…千冬さんのせいじゃありませんよ」

そう言うと、ずっと隣でそれを見ていた優人が無邪気に笑う

「お姉ちゃん…もう大丈夫?痛くない?」

私はそっと優人を抱き締める

「大丈夫よ…大事な人が、助けてくれたから…優人のおかげよ。ありがとう……」

優人は私にぎゅーっと抱きついてくる

「良かったぁ」

そう安心したように笑う優人と私を千冬さんは初めはためらいがちに、そして力強く抱き締めてくれた


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