先生の手が触れる時
私は今日、結婚する
バージンロードは信さんに歩いてもらう予定だった
少し緊張しながらゆっくり入場のドアへ歩いていく
遠くに愛しい人が見えた
「……雪夜…」
そう声をかけると、かつて私の先生であり今日まで恋人であった緑川雪夜がふりむく
「凪…凄く綺麗だ」
先生は少し照れくさそうにはにかむ
そんな雪夜も灰色の燕尾服に着替え、とてもカッコいい
ふと、信さんがいないことに気づく
「信さんは?」
そう問いかければ、雪夜は困ったように微笑み後ろを振り返った
私もつられてその視線を追う