先生の手が触れる時
緑川 雪夜
「………凪?なーぎ?」
「え?」
「大丈夫?今日ずっと上の空だよ」
凜の声で我にかえる
父親が家に来た次の日
私は、いつも通り学校にくる。
「うん…大丈夫……」
「全然大丈夫に見えないけど」
「凜…」
凜はいつも優しい。
優しいからこそ何も相談できない
「…ねぇ、私ってそんな信用できない?」
「え?」
「たまに凪…何か助けてって言ってるように見えるときがある…」
「!」
思わず固まると、凜は手応えを感じたのか
すぐにわたしに詰め寄る