先生の手が触れる時

「おっ…と……」

先生はバランスを崩し尻餅をつく

私はそのまま先生の胸に顔をうずめた

「……っ…」
「………参ったな…」

先生は少しため息混じりに笑って頭をかいた

助けて、先生。

この暗闇から抜け出したい
こんな毎日から逃げたい
お願い…助けて。

ただ好きな人と愛し合って、キスして、抱き締めて、喧嘩して、仲直りして
笑いたかった。

それだけなのに

私の人生は狂った


「たす……けて……」
「っ!」

先生の体が動く。
ほぼ無意識にそう言っていた


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