先生の手が触れる時

「遠野さん?」
「あ…」

私はハッとして先生から離れる

何を、言っているのだろう

たかが女子生徒一人を先生が助けてくれるわけない

「あ…なんでも、ないです…ほんとに」
「……?」
「…あの……ごめんなさい」

私はしりもちをついたままの状態でゆっくり後ろに下がる

そんなわたしの様子に違和感を感じた先生が近づく

「おい遠野?」
「ごめんなさい…ごめんなさい」
「遠野!」

叫ばれ、肩を捕まれて初めて先生の顔を見る

< 44 / 342 >

この作品をシェア

pagetop