先生の手が触れる時
ひどく心配した顔をしている
その瞳には狼狽した私の顔。
「……先生……」
「…遠野?」
「…わたし……手を伸ばしたの……でも」
「………」
「掴めなかった……何にすがりついていいかわからなかったの……」
壁に背をあずけ座り込み、わたしの肩を掴む先生の腕に手をそえる
涙は自然と頬を伝う
「…何が…あったんだ……」
「……わ…たし…私は…」
そこまで言って私の意識は途切れた。
暗い闇のなか
先生の声が聞こえた気がした