先生の手が触れる時
「……はー…」
「どしたの?なんか、凪、顔色悪いよ?」
体育館に着いた私を心配そうに見る凜
私は、そんな親友の小さな優しさに少し切なくなる
「大丈夫…少し疲れてるだけ」
「…そっか…最近忙しいの?」
「え、あ、うん…そんなとこかな」
独り暮らしを始めたのに関わらず、父は家に来ることがあった
もちろん目的は分かりきっていて。
逃げることなんて出来なかった
行く宛がないのをアイツも分かってる
それに逃げたら次がどうなるか分からない