先生の手が触れる時
「……みた…の?」
「………」
「……ねぇ!」
すごい剣幕で叫ぶ遠野。
「……あぁ。保険医の先生が気づいた」
「っ!」
「…………なぁ、遠野」
俺が一歩、足を踏み出すと遠野はびくりとした
「…来ないで……お願い……」
「……遠野」
「お願いっ…」
遠野は自分を守るように自分を抱き締める
「…遠野!」
「汚いから!」
その言葉に思わず動きを止める
「……汚い?」
「…汚いの…私の体は…汚い」
「……」
一人うずくまる遠野はとても小さく見えた
「……遠野」
ゆっくり近づき、彼女自身を捕らえている腕に触れる
「……っ……」