先生の手が触れる時
「…大丈夫………なんで、ここに?」
遠野の声は少しひきつってるように聞こえた
「電話をもらったんだよ。保険医の先生から」
「……大したことないよ…大丈夫。仕事に戻ったら?」
「…凪、今日はもう帰ろう。家まで送るよ」
「!」
遠野がびくりと体が動いた。
どうしたんだ?
「……あの、お父様…少しよろしいですか?」
「はい?」
不思議に思いながらも俺は父親を呼んで保健室の外に呼び出す
「……あの、遠野の体の…」
俺がそこまで言うと父親は少し考えて
合点がいったのか俺を見る
「痣のことですか?」
「ええ。ご存じで?」