先生の手が触れる時
何度も娘を迎えに来る父親を見てきた。
その間にはこの違和感は無かった。
でも
あの二人にはあった。
どちらかというと一方通行な、無理矢理な気はしたが。
「…雪夜?」
「あ…あぁ、いや。そう…だよな…変、だよな」
「少なくとも俺はそう思うけどな」
他の奴は知らねぇけど、と言って笑った信を見つめる
「…なぁ、信」
「ん?」
「どんなに辛くても、助けて。って言わない生徒がいるんだ」
「………」