先生の手が触れる時

「……先生?」
「…あの日。君が…俺に抱きついた日」
「!」
「君は言ったよね…助けて、と」

先生の眼鏡越しの瞳がまるで真意を探るように私の目をとらえる

「……なぁ、遠野」
「……っ」

足が固まったように動かない

「……今でも、助けてほしいか。暗闇から引きずり出してほしいか。すがり付く場所がほしいか」

先生は力強く言葉を紡ぐ

こんな先生見たことない…

「………」
「…君に絡み付いてる物が何か俺は知らない、でも!」
「っ」
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