先生の手が触れる時


「先生………先生…」

暗い闇にいたわたし。

暗い闇にいるわたし。

「……泣いていい。我慢しなくていい」
「…先生……」

頷くとまるで小さい子供をあやすように
先生は背中をぽんぽんと叩く

それすらも今は暖かくて、愛しくて

そのとき私は実感した。
先生に惹かれていることを。

だから私は忘れていた


幸せは長く続かないこと
そして二人の歯車は噛み合いきれていなかったことを…
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