先生の手が触れる時

ああ、まったく心臓に悪い

「……はーあ……」

俺はその場に座り込むと片手で顔を覆う

「先生?どしたの?」

そういって、俺の前にきて顔をのぞこうとする遠野の腕をひき
自分の胸に優しく包み込む

「夢じゃない。現実」
「………あ…」
「わかった?」
「…うん」

素直にうなずく遠野の頭を撫でながら

「…俺も緊張するんだよ?好きなやつだから」
「っ!」

すぐに、ぼん!っと真っ赤になる遠野

「はははっ…真っ赤」
「い!意地悪!」

< 98 / 342 >

この作品をシェア

pagetop