先生の手が触れる時

俺の腕の中でわめく遠野の頭に自分の頭をのせる

「うーん…幸せ」
「だから……そういうの…反則ですってば」

そういって腕の中でどんどん小さくなる遠野

「……悪い。本音」
「…もうー……」

諦めたようにため息をつくと
遠野は俺の腕の中で静かになる

「………なぁ、遠野」
「?」
「…ありがとな」
「え?」

胸に触れる温かさを感じながら
俺はゆっくり目を閉じる

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