ビターチョコレート
「あー、よろしくね。」


目の前に立っていたのは、

栗色のふわふわした髪に

大きな瞳をパチクリさせる

高身長のイケメン。

細身な身体には

筋肉がしっかりとついていて、

美男という言葉が相応しい男の子。


「んー…」


どこかで

見たことある様な気がして

考え込む。


「田島さん?」


「あなたどこかで会いました?」


私の唐突な質問に、

彼は目を大きく見開いた後

にっこりと笑って答えた。


「朝かな?ホームでぶつかったよね?」


「あー!あの時の!
本当ごめんなさい…」


大丈夫〜と言ってヘラヘラ笑う。


「てか、名前…」


「聞いてなかったのー?笑
俺、瀬戸奏汰(せと そうた)」


「瀬戸ね、
私は田島結生(たじま ゆい)」


「結生って言うの?」


「そうだけど…?」


「ふーん。」
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