草食彼氏が狼になった日
「あたしだって聞きたい!ねぇ、なんで??もうすぐ付き合って6ヶ月になるのに
体の関係どころか、キスもないのよ??
あたしってそんなに魅力ない??やっぱり童顔だから??」
「う~ん、それは欲求不満になるね。
あんなに可愛い彼氏が隣にいるっていうのに何もないなんて・・・」
「そうでしょ?!恋人同士の愛の儀式はいつするの??
今でしょ??」
「莉子、それもう古い」
親友の冷たい言葉に溜め息をつく。
横目で盗み見する凛の横顔はとっても綺麗だ。
それに比べてあたしは・・・153センチの小さな身長に童顔のこの丸い顔が大嫌い。
昔は年齢の割に若く見られることが嬉しくて。
だけどさすがにもう27歳、四捨五入すればもう三十路。
大人の綺麗な女性になりたい。
「でも莉子、よく耐えてるよね?いつもなら、もうとっくにガッついてるんじゃない?」
「だって、、、毎日エロいこと考えてる女だって思われたくないもん」
「はははっ、毎日考えてるんだ!これは重症だわ」
好きな人に触れたいって思うのは、男も女も関係ないでしょ?
なのに、、、あたしに触れようともしない。
13センチのヒールやメイクでごまかしても、あの透き通った目には
「本当のあたし」が映っているのかもしれない。