すずめ日記
運動会は、プログラム通りに進んだ。


そして、運動会のラストを飾る「6年生クラス対抗全員リレー」の順番になった。



入場門に整列した幸子は、そばにいた私にポツリ。



「どうしても抜かれへんほどの差がついてたらええのに……」


悲しそうに微笑んだ。



「幸子、抜くんやな?」
と聞くと、幸子は大きくうなずいた。



いよいよレースが始まった。



レースの展開は、やはり練習通りだった。


幸子の順番が刻々と、近づいてくる。


バトンゾーンを担当していた私には、幸子の顔がだんだん険しくなっていくのがわかった。



そして……。
5組の芳樹くんにバトンが渡った。


会場から大声援がおこった。


教師も親も来賓も、そして全ての子供達の声援を受けて、芳樹くんが走る。


幸子がバトンゾーンに入る。


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