【完】あたしはニセカノ。
パッと手を離し、涼くんの隣に立つ。



「明日…お弁当作るね。いつも無言だし…おいしくないのかなって心配で…」



「マズかったら、食わないし。学食の雰囲気、苦手でさー。実はかなり助かってる」



「そ、そうなの!?」



あたしはてっきり、嫌々食べてくれてるのかと思ってた。



「基本的に、ウルサイのが嫌い。屋上だと、飯食ってすぐ本読めて幸せ」



そうなんだ!



あたし、少しは涼くんの役に立ててる!?









「いつも、そう言ってくれたらよかったのに。

あたし…涼くんがなにを考えてるのかわからなくて」



「お前こそ、聞いてこねーし。聞けよ」



そうだね、聞けばよかったんだ…。






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