【完】あたしはニセカノ。
涼くん…相変わらず冷たいな。


グーッ。


お腹鳴っちゃった…。


傷ついても、お腹は空くもの。


お弁当、食べよう。


手元に置かれたお弁当のうち、ブルーのハンカチに包んだモノを開けた。


…あれっ。


中は空っぽ。


もうひとつのピンクのハンカチに包んだ方を開けると、手がつけられていない状態だった。






…もしかして、涼くん。


ブルーの方を食べてくれたの!?


急いで涼くんを追いかける。


8組に入る直前の涼くんを呼びとめた。



「涼くん!!」



「…は?まだ俺になんか用かよ」



うっ。



彼氏に声をかけて、『なんか用かよ』って言われる彼女は、



この世の中であたしだけかもしれない。



悲しいけど、今はそのことは気にしないようにしなくちゃ。


  
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