【完】あたしはニセカノ。
「お弁当、食べてくれたの!?」


ジッと見つめると、見つめ返された。


いや、ニラまれてる?


黙ったまま視線を逸らさない涼くんに、根負け。


あたしから、視線を外した。


「人に食わせるなら、もっとマシなモン作れよ」


うっ。


確かに、見栄えの悪い卵焼きと、中身もいたって普通のお弁当だし大したことない。


食べてくれたのは嬉しいけど、それを言われると辛いなぁ。






「ごめんなさ…」


「また…」


「…え?」


「明日、マシな弁当作れよな」


「明日…?えーっ!明日も作ってもいいの?」


「勝手にしろよ」


そう言って、ニッと笑って見せる。


きゃーっ!


もう、その笑みだけで、


どれだけ冷たくされても、あと数ヶ月は頑張れる気がした。



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