【完】あたしはニセカノ。
「ないよ~…涼くん、ふたりっきりのときも冷たいし」



「そうなの?そのうち本性が出るんじゃないかな~。じゃなきゃ、OKしないよ。あの涼くんが。

あたしの友達も何人か涼くんにコクったけど、全滅だったし」




「うーん…」




それには事情が。




期限付きの付き合いだって言ったら、きっと桃ちゃんは驚くはず。




妙に納得されそうな気もするし、なんだかホントのことを言うことができない。












「紗南ちゃん、かわい~もん。あたしは、大好きだよ」



「ひゃっ」



桃ちゃんがあたしをギューッと抱きしめる。



涼くんにはもちろん、女の子にもこんなことをされたことがないあたしは、大慌て。



「もっ、桃ちゃん~!!」



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