【完】あたしはニセカノ。
「彼氏にこーされると、心があったかくなるんだから。紗南ちゃんも、やってみて!


涼くんにギュッてしたら、それでスイッチ入るかも。クフフ」



桃ちゃんが、嬉しそうに笑いだす。



「きっと、はねのけられるよ。この前だって、『好き』って言っただけで、『気持ち悪い』って言われたんだもん」



思いだしただけで、涙が出そうになる。



「照れ隠しなんだってば~。涼くんってば、どこまでドSですか!!そこがまたいーんだって言ってたよ、涼くんファンは」



いや、全然良くない。



別にそんなこと、望んでないし。



できれば彼氏には愛されたいし、優しくされたい。









「だけど…そんなに仲の良かったカノジョと、どうして別れたの?」




きっと、今でも好きなのかもしれない。




そして、近寄ってくる女の子たちに、




その鬱憤を晴らしていたのかも…。



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