ピンクな理想、グレーな現実
お皿を洗い終わり、台所から出ようとすると、私の目の前に夫が立っていた。
なに、と声をかけるよりも前に、夫が壁に両手をつき、そこから出られなくなる。
「さっき言ってた壁ドンってこれ?」
「そうそう、聞いてたんだ。
......あなたじゃなくて、イケメン俳優に壁ドンされたかったな」
「俺だって、もっと可愛い子が良いよ」
そこからは、誰々の方が良かったとお互いに言い合い。
......こんなものだ。
昔は可愛いと言ってくれた夫も今じゃ甘い言葉も一切ないし、私の方も同じ。
ドラマみたいに胸キュンするシチュエーションもない。
いつまでもラブラブでいようねなんて言っていても、結婚して五年も経つと、現実はこんなもの。
壁ドンしながらも、お互いに他の人が良かったと言い合っている状況がおかしくて笑っていると、鼻をつままれる。
それから、どちらともなくキスをした。
なに、と声をかけるよりも前に、夫が壁に両手をつき、そこから出られなくなる。
「さっき言ってた壁ドンってこれ?」
「そうそう、聞いてたんだ。
......あなたじゃなくて、イケメン俳優に壁ドンされたかったな」
「俺だって、もっと可愛い子が良いよ」
そこからは、誰々の方が良かったとお互いに言い合い。
......こんなものだ。
昔は可愛いと言ってくれた夫も今じゃ甘い言葉も一切ないし、私の方も同じ。
ドラマみたいに胸キュンするシチュエーションもない。
いつまでもラブラブでいようねなんて言っていても、結婚して五年も経つと、現実はこんなもの。
壁ドンしながらも、お互いに他の人が良かったと言い合っている状況がおかしくて笑っていると、鼻をつままれる。
それから、どちらともなくキスをした。