愛を感じて
「よっ!!…」

坂下先輩ははにかんだ笑顔で挨拶をした。


「こ…こんちは…」








ドアから出した顔は少し周りを気にした、警戒した瞳だった。

「よっ!!…」

俺は軽く挨拶をする。

その時の顔はどんな顔だったのかな。

「こ…こんちは…」

しばしの沈黙…

「あのさ…中入れてもらっていい?…」

なんと大胆発言!

でも外は無理だろ…

「え!?…あっはい…どうぞ…」


俺はなんとか家の中に入り、小春の部屋に案内された。

「てかごめんね…急に訪ねちゃって…」

「いえ…大丈夫です…」


小春がジュースを差し出した。


小春の左手首…


俺は小春の左手首をつかんだ。

「小春…お前…」

小春はハッとし、手を引き戻した。
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