ー大きく振りかぶってートリップ 記憶をなくした少女 泉孝介
次の日
今日から桃は俺と一緒に学校に行く
ちなみにクラスは俺と一緒の3年5組だ
俺の学校は規則がゆるいから、ブレスレットとかも許されている。だから、俺と桃の手首には色違いのあのブレスレットがついている。
桃の制服姿を見るとあまりににあっててぼーっとしてしまった。だが、桃の顔には、不安が色濃くついていて昨日寝ている時も俺の服から手を離さなかった。
学校に着くと、俺はすぐに桃を職員室に連れて行った。いつもよりはやく出たのは、桃を他のやつにジロジロ見られないようにするためだ。
朝のHRの時間担任がはいって来た
担「今日から転校生が来るからなー!
仲良くするんだぞー?」
皆「はーい」
俺は、桃がはいってくるドアを見つめていたがなかなかはいってこない…まさか
まさかと思って俺は立ち上がった
周りの女子の目が痛かったが、俺は廊下に出ると桃がうずくまっていた。
孝「桃?どっか痛いの?」と聞くと、
桃はフルフルと顔を振った。
多分桃は緊張と不安が混じっているんだろう。
俺は桃を抱きしめて、背中をぽんぽん叩くと、だいぶ落ち着いてきた。俺は桃を教室に連れて行った。
担「じゃ、じゃあ自己紹介よろしくな!」
孝「桃?自己紹介できる?」
桃「うん。大丈夫だよ?孝ちゃんありがとう」
桃「始めまして、泉桃です。よろしくお願いします。」
桃が挨拶すると、男子は騒ぎ女子は睨むような目で桃を見ていた。桃は顔を上げずにうつむいていた。
俺は桃の肩をだいて、席につくとHRは終わり桃の周りにはたくさんの人が集まってきた。
ク「ねぇねぇ!泉君の親戚?」
桃はうつむいてなにも答えない。俺は何かあったのかと思い桃の顔を見ると、青白くなっていた。それでもクラスメイトは桃に話しかけていた。
ク「ねーねー!黙ってないで何か言ってよ!てゆーか泉君と仲良いとかマジ羨ましいー!今度遊び行ってもいい?」
桃はついに泣きそうになっていた。
俺はクラスメイトに腹が立った。俺の大事な桃を泣かそうとしていたからだ。
俺は心の中の何かが壊れた。
孝「お前らいい加減にしろよ‼︎桃が今どんな状態かくらいみたらわかるだろ⁈今度桃にこんなことしたらただじゃおかねぇからな‼︎」と怒鳴り上げたら、桃が
桃「孝ちゃん⁈もういいよ!私が喋らないのが…悪いんだもん…」と止めに入ってきた。俺は桃の手を掴むと、屋上に走った。
屋上に行くと、桃はついに泣き出した。
俺が桃に話しかけると、桃は
桃「私…女の人が怖くて…ヒック …なんでか覚えてないけど…怖くて堪らないの…」
俺は桃の話を聞いていて、ふと思ったことがあった。覚えてないということだ。
もしかしたら、桃は昔、女に虐められていたのではないかと…桃の前の世界の記憶を桃は忘れてしまったのだ。
俺は桃を抱きしめて頭を撫でていると、
桃は寝息を立てて眠っていた…
俺は桃を抱っこして保健室に連れて行った。俺は桃をベットに置くと、教室に戻った。教室に戻るとたくさんの女が俺に近づいてきた。
ク「ねーねー!泉君、桃ちゃんどーかしたのー?てゆーか桃ちゃんいいなー!泉君と暮らしてるなんて!」
俺は吐き気がした。こいつは桃のことを心配をしてるわけではなく、俺に話しかけてきた…イライラして、腕をまくると目ざとくその女が俺のブレスレットに気がついた。
ク「あーーー!泉君それちょー人気のブランドじゃん!しかもそれペアでケッコー高いやつでしょー⁉︎いーなー!でも、この前までつけて無かったよねー?誰とペアなのー?」
うるせぇ。なんでこいつにそんなこと話さなきゃなんねーの?お前らのせいで桃は保健室にいるのに…
その日桃は授業には出れず、俺は桃を連れて早退した。