ー大きく振りかぶってートリップ 記憶をなくした少女 泉孝介




なんやかんや、時間がたち今日はついに卒業式 この5ヶ月の間に俺と桃の仲はとても縮まっていた。俺たちは西浦高校を受験することを決め、見事に合格した。
桃はかなり頭がよく、俺も勉強の時はよく教えてもらった。わかりやすくて丁寧な桃の教え方はまるで桃そのもののようだった。


ピクニックや遊園地いろんなところに行っていたあの頃が懐かしいと思えるほど、桃と俺はずっと過ごしてきた。
桃は相変わらず女が苦手で、そのせいでいじめられたりもしたが俺がそれをやすやすと見逃すわけがなく、キチンと片付けた。卒業式が終わると、俺と桃の周りにはたくさんの女が近づいて来た。何事かと思ったら、俺の第二ボタンが欲しいらしい。

孝「俺の第二ボタンは桃にあげるから、お前らのはねぇよ?つか、早くどっか行ってくれない?」と言うと、桃をいじめていた奴が卒業式という理由をつけて俺に近づいて来た。
ク「あの…ね?私泉君のことが好きだったの!桃ちゃんなんかより私の方が可愛いし気が利くし、私と付き合って欲しいの!」
はぁ?自分が桃より可愛い?目がおかしいんじゃね?
孝「俺、お前のこと好きじゃねーし桃の方が可愛いから。それと二度と俺たちの前に顔出さないでくれる?」
女はそう言うと、泣きながら行ってしまった。桃はどうでもよかったのかぼーっとしていた。桃の手首にはまだブレスレットがついていた。桃は3月というのにマフラーを巻いており、寒そうに震えていたので上着を着せるとありがとうと微笑んでくれた…



お袋達のところに行くと、二人で写真を撮った。相変わらず桃の身長は変わってなくて、でも大人に少しなったように感じた。





中学時代終了!次からは高校時代です!
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