【年下彼の恋愛事情】

「篠原さん、下田さん、お喋りしすぎないようにね」


裏から備品整理していた店長の佐藤さんがひょいっと顔を出す。

佐藤さんは入社してから販売員として個人の売上が高く評価され、責任感も強いことから若くして店長に抜擢された。

確か20代半ばだったはず。

仕事はきっぱり真面目にやる人だけど、人としてすごい優しくて、彼女の下で働くと女性ばかりの職場でもいざこざは全く起きない。

佐藤さん、ユメ、私を含めて店員は8人ほどだけど、皆佐藤さんを尊敬してる。もちろん、私もその一人。


「じゃあ、下田さん後半頑張って。篠原さんは今からお昼休憩ね、いってらっしゃい」

「はーい、行ってきます」


今日はユメと私と佐藤さんの三人体制で、ユメは前半シフト、私は後半シフト。

そのためユメとはお昼休憩を交代で取る。


店長はフル勤務だ。私たち店舗スタッフ違って店長は一日やることが山ほどある。


「佐藤さん、お先にお昼休憩いただきます」

「はーい」


ユメと違って私はお店の裏から外へ出る。相変わらず不便。

交代するときのユメの表情はもう販売員に変わっていて、さっきまでイケメンどうので騒いでたとは思えない。

そういう切替がしっかり出来るからこそ、一緒に仕事していて本当に楽しい。



さあて、お昼何食べようかな。


私は昼下がりの人が多く行き交う大通りを歩き始めた。





終 私、働いてます


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