【年下彼の恋愛事情】

まあ、多分それは佐藤さんの勘違いだと思うけど。

あっ、もう18時だ。いろいろ考えてたら時計は既に仕事を上がる時間だった。

今日はいつもの平日に比べては、お客さんあまり来なかったなあ。


「佐藤さん、お先に失礼します」

「そっか、篠原さん今日は早番か」

「はい」


シフトは早番、遅番に分かれていて、早番は9時入りの18時上がり。

最近ずっと遅番だったから早番っていう感覚がない。


「裏にいる宮内さんにも上がっていいって伝えてくれる?」

「はーい」


ちなみに遅番は13時から22時とかなり遅い時間まで勤務する。

駅から近いから仕事終わりのOLさんも多いため、営業時間は21時までとコスメショップにしては珍しい。


家に帰ってもやること無いし、久しぶりに駅の反対側のショッピングモールに行こうかな。

まだ18時だからお店も閉まってないだろうし。


「宮内さん、もう上がりだって」

「了解、お疲れ様です」


宮内さんも私とユメと同じ歳で同期だ。ただ、彼女はアルバイトとしてこの店舗で働いている。

美容の専門大学で本格的な勉強をしながら、学費のためにアルバイトを掛け持ちしているらしい。


「あの、外にいる子って篠原さんの彼氏ですかー?」

「は?」

何を言ってるんだろう、この子は。そんなはずが無い。

どうしたら私と彼が結び付くのだろう。


「私てっきり篠原さんのお知り合いだと。だって彼、篠原さんのこと気にしてるみたいだったし」


宮内さんまで佐藤さんと同じこと言うのか・・・・・・。


「帰り、話しかけてみたらどうですかー?」

「えっ、なんで私が」

「だってー、気になりますもん」


気になるなら自分で行けばいいのに・・・・・・


「お疲れ様」


まだ着替えてる途中の宮内さんに声をかけ、私は裏口から職場を出た。



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