【年下彼の恋愛事情】
「あっ・・・・・・」
お店を出て入口の前を通ろうとしたとき、視界に入る制服姿の彼。
さっきとは様子が違って、中を少し覗き込むように気にしている。
やっぱり、何か用があるのかなあ。
ふと、宮内さんの一言を思い出した。
仕方ない、声かけてみるか。
「あの・・・・・・店内ご覧にならないのですか?」
「・・・・・・うわ!」
真後ろから声をかけてしまい、彼は私に気付くと勢いよく振り返った。
「驚かせてごめんなさい・・・・・・!」
「いえ、あ、あの・・・・・・」
何も手を加えていない黒髪の、耳が少し隠れるほどのサラサラな短髪で。
遠目から見てて思ったけど、やっぱりイケメンだった。
通りすぎる女の子達が必ず言って良いほど振り返って自分のことを見られているのに、彼は気付かないのだろうか?
「あの、それともうちの従業員に何かご用ですか?」
「えっと・・・・・・」
「それなら呼んで来ましょうか?」
そう言って店内に足を向けた瞬間。
「・・・・・・ち、違うんです!」