クールなお医者様のギャップに溶けてます
こうちゃんと言えば、あの食堂から出て行ってしまった後、花絵に詳しい話を聞き、私が何で可愛くなろうとしているかの説明を受けて理解したらしい。

「おおよそは分かっていたみたいだけど、こうちゃんは亜樹の事が好きだからショックだったんだろうね。」って花絵が言ってた。

こうちゃんが私を好いてくれているのは知っている。
でもそれは恋愛とかの好きじゃなくて、家族に近い感覚なんだと思う。

私がこうちゃんを弟みたい、と思うのと同じように、こうちゃんも私を姉のように思ってくれているんだと。

実の弟より慕われている感じがするもん。

だから、先生の事に関してはきちんと私から話せば良かった、って後悔したけど、また前と同じようにこうちゃんと話が出来てるからそれはそれで解決したんだと思う。

「こうちゃんだったら何が欲しい?」

クリスマスプレゼントの事を聞けば、うーん、と真剣に考えてくれている。
弟じゃ無視されて終了だ。持つべきものは可愛い後輩だな〜。

「ぼくならぁ〜ハンドクリームかなぁ。」

「ハンドクリーム?何で?」

「この時期、手がカサカサなんですもんっ。」

衛生のために習慣づけてる手洗いは油分を奪われ、潤いがなくなり、特に冬は乾燥も加わってカサカサになる。
それは分かるけど、先生には向かない。
あ、でも、アロマオイルはいいかもしれないな。

「というわけで、ぼくにはハンドクリーム下さいね♡」

「え?こうちゃんにあげるの?じゃあ、私にも何かちょーだい!」

「先輩は何が欲しいんですかぁ?」

「今、最も欲しいのは料理の腕かな…。」

先生の手作り弁当食べたい発言の日から家でお母さんに教わりながら格闘しているけど、お母さんが根を上げる程に料理に向いていない事が分かった。

「ねぇ、先輩。もっと他にないんですかぁ?」

「ん?ん〜じゃあ髪をクルクル巻けるアイロンとか?」

「何ですかそれ。」

「あれで巻けば簡単にフワフワの髪型が出来るって聞いたの。そしたら少しは今より可愛くなれるじゃん?」

「まぁ、そうですけどぉ。」

買おうかどうか迷ってる。
ただ、あれを巻く技術がないんだよね…。元美容師のお母さんなら出来ると思うけど、自分でやりなさいって言われるだろうし。
やっぱり買うのやめようかな。。

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