クールなお医者様のギャップに溶けてます
「お待たせしました。」

助手席側のドアを開けて急いで乗ると、先生が二度見してきた。

「あの〜、何か変ですか?」

「いや…確か朝はすっぴんにお団子頭だったよな?」

よく見てるな。

「先輩にさっきやってもらったんです。」

「また話したのか?」

「いえ、パーティに行くって嘘をついてしまいました。先生だって知られたくないですよね?」

「俺は別に気にしないが、君は気にするだろ?」

未だに先生の人気は続いている。最近は患者さん自身やその家族にまで人気が及んでるって花絵が言ってた。
そんな先生と付き合っている、なんて知られたら仕事に支障が出るのは目に見えてる。
秘密にしておくに越した事はない。
頷いたら分かった、と言ってくれた。

「じゃあ行くか。」

「そういえば、今日はどこへ行くんですか?」

「それは着いてのお楽しみだ。とりあえず高速を走る。天気が良くて良かったな。」

今日の先生はご機嫌だ。
私もつられてテンションが上がる。

雲一つない青空を眺めながら高速道路を1時間半程走れば、サービスエリアの標識が見えてきた。

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