クールなお医者様のギャップに溶けてます
「水族館…?」
「君と仲良しの藤井先生にクリスマスの穴場を聞いたら、ここを教えてくれた。」
仲良し、という皮肉な言い方にいつもなら睨む所だけど、今日の私は違う。
先生がわざわざ藤井先生に聞いてくれた事が嬉しくて、自然と笑顔になれる。
でも、藤井先生の事だ。誰と行くか探りを入れたんじゃないかな?
「藤井先生は、先生が私の事を気になっていると思ってますよ?何か言われませんでしたか?」
「『藤井先生は誰と行ったんですか?』って反対に聞いたら逃げて行った。」
「あはは、藤井先生らしいですね。」
「君は藤井先生が笑いのツボなのか?藤井先生は薬剤師さんと付き合ってるからダメだぞ?」
「え?何で知ってるんですか?」
「藤井先生ってわかりやすいじゃないか。」
わかりやすいかな?あんなに頑なに言おうとしなかったのに。
ただ、先生が藤井先生の彼女の事を知ってるっていうのは意外だ。
そういうのに興味なさそうなのに。
「君も藤井先生に狙われていた。あわよくば、なんて思っていたんじゃないか?」
藤井先生が私を?
ないないない。それはない。
だって、幸せそうだもん。
今頃、湯けむりイルミネーションツアーを楽しんでいるんだろうし。あの顔で。
思い出しただけで笑える。確かに笑いのツボかもしれない。