クールなお医者様のギャップに溶けてます
頭を撫でられているのに気が付いて目を覚ますと、先生の優しい目に見つめられる。

「本当によく寝るな。」

「今、何時ですか?」

「5時だ。」

「先生は寝てないの?」

「俺は2時間も寝れば十分だ。」

二時間なんて私の休日の昼寝より短い。
体調崩さないかと心配になる。

「起きた時、亜樹が隣で寝ているっていいな。幸せを感じるよ。」

「先生って恥ずかしいセリフをサラサラっと言えるんですね。」

「ハハ、それ、亜樹の可愛い後輩くんにも言われたよ。」

「後輩くんってこうちゃんですか?」

「あぁ。『先輩の様子がおかしいのは先生のせいですよね?先輩の良い所がなくなっちゃうじゃないですかっ!』って昼休みに一人で休んでるのを見計らって、医局に怒鳴り込んで来た。」

こうちゃんがタイミングを見計らって怒鳴り込み?
そんな事する子じゃないのに。

「よっぽど亜樹の事が好きなんだろうな。『君には渡さない』って言ったらキザなセリフを言うな、って怒られたよ。」

嬉しいけど、キザだ。
こうちゃん、そのツッコミは正解よ。

「でも、何で…?」

「亜樹があいつの人生を変えてくれた人だからだ、って言ってたぞ?」

人生を?
ただ、指導しただけなのに?
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