クールなお医者様のギャップに溶けてます

「亜樹、君は本当に素敵な看護師になったな。人生を変えてくれた人、なんて普通にしてたら言われない。」

「そんな事ないですよ。まだまだ半人前です。現に先生だってよく怒るじゃないですか。」

「亜樹の怒った顔も落ち込む顔も好きだからな。」

「だーかーらーそういうの言わないで下さいっ！」

「ハハ、亜樹は可愛いな。今すぐにでも抱きたくなるよ。でも、残念ながら俺は今日仕事だ。シャワー浴びて朝ご飯食べたら送っていく。」

そっか。先生、仕事なんだよね…。
もう少しそばにいたかった。
先生と離れるのがこんなに切ない気持ちになるなんて知らなかったよ。
顔を見られたくなくて布団に潜る。

「亜樹、そんな顔をするな。仕事に行けなくなるだろ。」

「すみません。」

「詫びは朝ご飯でいいぞ。」

「は？」

思わぬ提案に布団から顔を出す。

「今、お母さんから料理習ってるんだろ？後輩くんが言ってた。」

こうちゃん、余計な事を〜！

「冷蔵庫の物、適当に使って作ってくれ。あと食器も。」

適当に…って、私、料理下手なのに！
そんな高度な技術、持ち合わせてませんー！！