クールなお医者様のギャップに溶けてます


「亜樹〜先生みえたわよ〜。」

「今行く〜。」

バタバタっと階段を降りて玄関へ行くと、先生がお母さんに何かを渡している所だった。

「あら、わざわざ良かったのに。ありがとうございます!」

「何?」

「この前のお弁当のお礼に、ってケーキ貰っちゃった。このケーキ有名なケーキ屋さんのよね?亜樹にも残しておく?」

「残しておいて!私も食べたいっ!ていうか、先生気を使ってくれなくて良かったのに。」

「いや、手作り弁当なんて何十年振りで本当に嬉しかったんです。ケーキ喜んで頂けてホッとしました。」

「あら、そうだったの?でも次回は亜樹に作らせるわね。」

お母さん…私の技術力を知ってるはずなのに、適当に約束しないでよ…。
私の手作りの不恰好なおにぎりを知っている先生は苦笑いしてるじゃん。

「もうっその話はまた今度!電車に遅れちゃうから行って来るね。」

「行ってらっしゃーい!」

お母さんに見送られて先生と駅に向かう。

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