クールなお医者様のギャップに溶けてます
「ねぇ、もしかしてあの人が彼女じゃない?」

うわ、ばれた。どうしよう。

「マジ?どの人?あ、綺麗な人じゃーん。」

!!!

「やっぱまずは自分磨きからしなきゃダメかー。」

ちゃんとメイクしてきちんとした格好してきて良かった。
女子高生はそれからメイクの話しとかファッションの話しとかで盛り上がり、車内で一際大きな笑い声を立てていたけど、褒めて貰えたから騒音も囀りに聞こえちゃう。

「良かったな。お似合いだってさ。」

コソッと話しかけてきた先生を見上げる。
そこには柔らかい笑顔で私を見つめる先生がいて、胸がきゅうっとする。

「先生は誰もが認めるイケメンなんですね。すごいですよ。」

「そのイケメンの彼女は君だ。自慢の彼女なんだから堂々として大丈夫だぞ。」

かぁぁ、っといつも通り顔が赤くなる。

ニット帽を深くかぶり、顔を見られないようにするけど、グイっと腰を引き寄せられ密着すれば、さらに赤面してしまう。

先生…このままの姿勢は心臓が持ちません。

運転手さん、早く駅に向かって下さーい!

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