クールなお医者様のギャップに溶けてます
案の定、参道は人でごった返している。三が日まで出店している屋台を見て動けば、さっき年越し蕎麦を食べたばかりなのに、お腹が空いてきた。

焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、フランクフルト、綿菓子、りんご飴、たい焼き…。

どれも美味しそうで、いつ来ても目移りしちゃう。

「先にお参りしてからだ。」

「えぇ?先に食べましょうよ!」

「お参りに来たんだろ?お参りが先だ。」

「あんなに並んでるじゃないですか。並びながら何か食べましょ、ね?」

「亜樹、その顔はやめろ。可愛い過ぎる。」

「なっ?!」

「俺は亜樹に弱いな。負けたよ。ほら、何でも買ってやるから、何がいい?」

照れ隠しに、たい焼きと焼きそばと焼き鳥とビール、って言うとたい焼きだけ買ってくれた。

出来たてを食べる。

皮がパリパリで餡子がアツアツ!
うーん、絶品!

「亜樹は美味そうに食べるな。」

ハハっと笑う先生にもたい焼きを一口あげる。

「熱っ!」

「あはは、先生猫舌なんですか?」

「猫舌で何が悪いっ!」

「別に悪くないですけど、一説によると猫舌の人は小さい頃、お母さんに熱い食べ物を冷まして貰ってから食べていたからなんだ、って知ってました?」

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