クールなお医者様のギャップに溶けてます
お財布から小銭を取り出してポケットに入れておく。

「今年は良い年だったな。亜樹に会えたし。」

「そうですね。初めはどうなる事かと思いましたが、色々ありましたね。」

多分、今までで一番内容の濃い一年だった。

「来年もよろしくな。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

ニコっと微笑めば先生も微笑んでくれる。それだけで心があったかくなる。
自然と身を寄せ合い、手を繋げば身体もポカポカだ。

「そうだ、亜樹、2月の頭に親に会ってくれないか?」

「まだ少し先の話しですね。でも分かりました。今から予定を調整しておきます。」

「ありがとう。よろしく頼む。」

「先生のご両親はどんな方ですか?」

「亜樹のご両親とは正反対の人たちだ。でも気にしなくていい。俺がちゃんとするから。」

ちゃんとするっていう意味が分からないけど、お参りの順番が来たから会話は中断して、鐘を鳴らし、お賽銭を投げる。

先生と同じタイミングで顔を上げれば、また手を繋ぎ、流れに沿って移動する。


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