クールなお医者様のギャップに溶けてます
何?知り合い??

「お父さん、剣道習いに行ってるでしょ?そこの仲間内に神野さんっていうお医者様がいてね、今度、息子が結婚する、って話しをしてたらしいの。よくよく話しを聞けば亜樹と聡さんの話しに似ていてね。やっぱり本人だったみたい。今、お父さんはご立腹よ。」

確かにお父さんご立腹っぽい。
背筋はピンとしてるけど、眉間に皺は寄ってるし、鬼の形相で睨んでる。
その様子が緊迫していて、私とお母さん、先生は部屋の中へ入れない。

「あなた程の心技体を極めた方がなぜ、息子との約束を守ってやらなかったんですか?!娘を巻き込んで、理由が理由ならタダじゃ済まさない!」

「亜樹さんを巻き込んでしまった事は本当に申し訳ないと思っています。こうして謝ります。」

お父さんのあまりの迫力に周りが引いてしまう中、心技体を極めたというダンディ父は冷静に頭を下げる。

「聡には人を愛する事を知って貰いたかった。今回の事はただそれだけだったのです。」

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