クールなお医者様のギャップに溶けてます
結婚
それから一年後の大安吉日。

コンコン

「はーい。」

「新郎様がお見えになりました。」

ガチャっとドアが開き、入ってきたのは全身真っ白なタキシードに身を包んだ王子様みたいな先生。

いつも下ろしてる前髪を全て上げれば、その顔の小ささと綺麗な作りがよく分かる。

初めて見るその姿に新婦の私がうっとりしてしちゃう。

「まぁ!」とか「カッコいい…」って介添えさんや美容師さんたちが思わず言っちゃったのも分かる。

これは参列者の女子たち卒倒しちゃうかも。

「亜樹、すごく綺麗だ。」

「聡さんも素敵ですよ。」

両家の顔合わせの日から2ヶ月後、聡さんは大学病院に戻った。
元々、短期的に派遣されただけだったから、院長が新しく見つけてきた医師と交代。

分かっていた事だけど、実際に離れてしまうと寂しくて、職場が変わっただけでずいぶん関係性が変わった。

日々会えない分、休みを合わせ、なるべく一緒に過ごす時間を増やすようにした。

そして、念願の婚約指輪を私の誕生日に貰うと、山田さんのお孫さんに連絡して式場を予約。

他も色々回ったけど、プランナーの対応や交通機関、食事、ドレスの品揃えなど、山田さんの式場に勝る所はなかったから。

でも、本来、そういう個人的な繋がりは持ってはいけない。
だから特別な配慮なしで、と伝えて予約を取った。


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