クールなお医者様のギャップに溶けてます
山田さんが用意してくれた特別室は二人で泊まるには広過ぎる位の部屋で、ロングドレープのあるドレスを着たままでも余裕で動ける。

「す、すごい部屋ですね。」

「あぁ。本当にすごいな。ん?なんかカードが置いてあるぞ?」


『親愛なる亜樹様
ご結婚おめでとうございます。
あなたの天使のような笑顔がいつまでも続きますように。
明るい家庭を築いて下さい。

追伸
必要なものは受付に何でも言っておくれ。
すぐに対応するよう圧力を掛けてあるから♡

山田』

圧力って(笑)

「何でもいいのか〜。じゃあ、お言葉に甘えさせて貰って、軽食を持って来て貰おうかな。お腹空きません?」

披露宴では写真やらお色直しやら何やらでほとんど食事が摂れなかった。
気付いてみればお腹ペコペコだ。

「俺は亜樹を食べたい。」

「え?」

後ろからギュッと抱き締められる。

「こんな綺麗な花嫁姿、みんなに見せたくなかった。」

「聡さんこそ、私の友達や同僚たちに囲まれてたじゃないですか。」

あとでくれる、って言ってた友達の写真の大半は私じゃなく、聡さんが写ったものだと思う。
カメラのレンズは確実に聡さんを捉えていて、無理矢理聡さんに寄り添わなきゃ写らなかったんだから。

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