クールなお医者様のギャップに溶けてます
そしてくるりと振り返り、聡さんと向き合う。

「ねぇ、聞きたかった事があるんですよ、百合子さんの話しで。」

「何でこのタイミングで百合子が出てくるんだ？」

急に百合子さんの話題になった事に不機嫌になった聡さんの眉間には深い皺が寄っている。
でも、聞きたい。

「両家の顔合わせの時、百合子さんには他に男がいる、って言ってたじゃないですか？あの時、遊んでいるかどうかなんてすぐに分かるって言ってましたよね？あれってどういう事ですか？」

「簡単な事だ。実践してやる。」

「？…痛っ！」

聡さんが私の首筋に顔を埋めたかと思ったら、その首筋に痛みが走った。

「何したんです？痛いなー。」

「鏡で見てみろ。」

手を引かれ、大きな鏡の前に立たされる。

少し角度を変えて痛みのあった場所を見てみると、そこが赤くなっていた。

「何これ？」

「キスマークだ。百合子の首筋にもそれがあった。隠そうとしてたけど、相手の男もバカじゃない。百合子には分からないように付けていたんだろうな。」

これがキスマークってやつか。
ただ、それを知ってるって事は百合子さんとそういう関係があったって事だよね？
なんかムカついちゃう。
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