クールなお医者様のギャップに溶けてます


お茶を飲んで膨れたお腹を落ち着かせていると、お義父さんがアルバムを持って来た。

「これが亜樹が産まれた時だ。可愛いだろうー?」

今にも溶けそうなお義父さんの顔を見ていれば亜樹がどれだけ大切に育てられたかがよく分かる。

「ちなみにこれがお母さんだ。綺麗だろー!」

「あ、本当に美人ですね。」

「あらー?私は今でもイケてると思うんだけどー?」

片付けを終え、食後のデザートに、と言って果物を持って来てくれたお義母さんが会話に加わる。

「お母さんは今も綺麗だよ〜。でもこことここに皺が増えて来たな。」
「えー、じゃあ、もう少し高い化粧品に変えようかしら。ね、買っても良い?」
「うーん、それを使えば綺麗になるのか?」
「さらに綺麗になって、あなたの自慢の奥様になれるわよ!」
「じゃあいいよ♡」
「ありがとう♡」

このラブラブなやり取りはいつもの事。
お義父さんはお義母さんに惚れてるし、お義母さんもお義父さんが今でも変わらず好きらしい。
その関係が羨ましくて、ここにくる度、数十年後、亜樹ともこんな風に会話が出来ていたら良いな、なんて思う。
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