クールなお医者様のギャップに溶けてます
「これが幼稚園で、小学校、中学校、高校、大学ね。」
産まれた時はお義父さん似なのに、成長するにつれてお義母さんに似てくる亜樹は高校生位からだいぶ大人びた顔立ちに変わった。
ずっと共学だった亜樹は、当然の事ながらクラスメイトには男子もいて、男子と一緒に写っている写真もある。
「あ、この男の子、亜樹の初恋の子よ。」
「「初恋?」」
お義父さんと言葉が被ってしまった。
「小学校からずっと一緒でね。亜樹はいつもその男の子の話しをしていたわ。高校で離れ離れになったんだけど、確か制服の第二ボタン貰ったんじゃなかったかな?」
「それで、その男の子とはどうなったんですか?」
「あら、聡さん、ヤキモチ?」
「え?あ、いいえ…。」
亜樹のように顔が赤くなってしまう。
亜樹の過去に嫉妬するなんて…。
「その子とは何もなかったはずよ。でも…」
アルバムをペラペラとめくるお義母さん。
「あ、ほら、これ。成人式の時に再会して、『やっぱりあいつの事、好きだわ〜』とか言ってたわね。」
親子で随分赤裸々に話すんだな、と思ったけど、この家族は基本的に隠し事や嘘をつかない。
亜樹曰く、「結局バレるから」だそうだ。