クールなお医者様のギャップに溶けてます
「それで?勉強会はどうだった?」

勉強会から一週間経った金曜日の昼休み。
今日は久しぶりに花絵とこうちゃんと三人でお昼休憩だ。
いつも一緒ならすぐに報告が出来たけど、シフトが合わないとお昼もバラバラなんだよね。

「勉強会は分かりやすくて良かったよ。大学病院は症例数が多いし、最新の機械を使ってるからすごく勉強になった。あと、ずっとくすぶっていたものを無くすことが出来たよ。ほんと、行って良かった。」

「そっか。それは良かったね。」

花絵には話してあったから安心した、っていう表情をしてくれる。
持つべきものは友だ。

「え〜?くすぶっていたものって何ですかぁ〜?」

そういえば、何も話していない後輩がいたんだった。

「こうちゃんには内緒よ。先輩のイメージってものがあるからね。」

「余計気になりますぅ。」

花絵のフォローもこうちゃんを煽るだけ。
机に頬杖ついて、教えて♡っておねだりしてるみたいに花絵の方を向いている。

「またいつか話してあげるよ。それよりも今は聞きたい事があるの。ねぇ、神野先生とはどうなの?」

花絵の質問の意図が読めない。どうなの、とはどうなの?

「神野先生と今一番親しいのは亜樹だって知ってる?」

確かに仕事という名の雑用を押し付けられたり、担当日でもないのに内視鏡検査の補助につけ、とか言われたりはしてるけど、親しいっていうのはおかしい。

「ただ他の人より早く知り合ってる分、使いやすいだけでしょ?」

「亜樹は鈍感ねぇ。事務所の女子たちに目をつけられているっていうのに。ね、こうちゃん。」

話を振られたこうちゃんだけど、何故か黙ってる。

「どうしたの、こうちゃん?」

花絵も気付いて話し掛けるけど、口を開かず微動だにしない。

「どうした?」って私が顔を覗き込んで聞いたらようやく口を開いた。

「亜樹先輩、神野先生の事好きなんですか?」

「は?」

「先輩、どうなんですか?」

こうちゃんが…男っぽくなってる…?
何だろ。ちょっとドキッとしちゃったよ。
隣りの花絵も固まってるし。

「どうしたの、こうちゃん。変だよ?あ、変なのはいつもの方か。ていうか先生は気になる人がいる、って言ってたよ?」

「違います。そんな事聞いていません。亜樹先輩は神野先生の事、どう思っているんですか?」

「私は…」
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