クールなお医者様のギャップに溶けてます
「仲良さそうで何よりだな。」

うわっ!
またこのパターン…。

前回の反省を踏まえると、藤井先生は見ちゃダメだ。笑ってしまうから。
でも神野先生の顔は見れない。
目線が落ち着かずキョロキョロしているとガッと腕を掴まれた。

これってデジャヴ⁈

また屋上へ連れて行かれた。

ただこの前と明らかに違うのは寒い、ということ。

11月上旬の屋外に半袖はそれなりに厳しい。

戻ろうとするけど、止められた。

「寒いんですけど。」

「ならこうしてやる。」

ぎゅっと抱き締められ、先生の温かさがむき出しの腕に移る。

「や、やめて下さい。」

もがいて離れると冷たい目で見てきた。

「君が寒いと言ったんだろ。」

「何も温めて下さい、なんて言ってないじゃないですかっ!」

「うるさい。俺だって寒いんだ。」

それなら戻りましょうよ…、って思うけど反撃が怖くて言えない。

仕方ない。日向に行くか。

トボトボ歩くと「どこへ行くっ」と怒鳴られた。
ムカっ。
別に悪い事してないもん。何で怒鳴られなきゃならないのよ?

「日向に行くんですっ!寒いから。ていうか何ですか?言いたい事があるなら早く言って下さいっ!」

私にだって我慢の限界がある。
これだけ寒いと風邪引くわ。
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