クールなお医者様のギャップに溶けてます
「今日は来てくれるとは思いませんでした。」

「どうしてですか？」

「あなたみたいに綺麗で素敵な方にいい人がいない訳がない、と思っていたので。」

シャンパンと甘くて柔らかい言葉のせいで頬が熱くなる。
前菜がタイミングよく運ばれてきたので、赤くなった顔は見られていないだろうけど、それでも赤くなった顔はなかなかすぐには戻らない。

「祖父に話したのも軽い気持ちだったんです。」

「え？そうなんですか？」

「あ、言い方が悪かったですね。すみません。本山さんのような人がそばにいてくれたらイイよなぁ、ってなんとなく思って、無意識に言葉に出てしまったのを祖父が聞き逃さなかったんですよ。」

「山田さん、あのお年でも耳が良いですからね。」

「そうなんです。」と言って笑うその顔には優しさが満ち溢れている。
育ちが良いせいもあるのだろう。
話し方も食べ方も笑い方も全てが上品だ。

まだ会って間もないのに、この人の穏やかでゆったりとしたペースにのまれてく。
会話も弾むし、いい感じ。

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